脂肪腫

脂肪腫は、皮膚と筋肉の間や筋肉の中に発生することがあります。
皮膚の膨らみやしこりとして気づくことが多いです。
痛みやかゆみなどの症状を伴うことはほとんどありません。
見た目が気になる場合や邪魔になる場合には、手術で取り除くことができます。

脂肪腫の診断には、視診や触診のほかに、エコー検査やMRI検査などの画像診断が用いられます。
当院ではエコーによりまず腫瘍がどの深さに存在してるか確認し、深部に存在する場合は、筋肉と癒着していないか、血管や神経と絡んでいないかを確認するためにMRIを撮影します。
全身麻酔での手術が必要な場合は、高次の施設をご紹介させて頂いています。
脂肪腫と似た病気に、脂肪肉腫という悪性の腫瘍があります。
脂肪腫と脂肪肉腫の鑑別のためには、MRIで画像を撮影した後に、部分切除生検を行う事があります。
特に5cm以上の脂肪腫に関しては、ガイドラインにおいて部分切除生検が悪性軟部腫瘍の予後改善のためにも効果的であり、推奨されています。
複数回手術が必要となりますが、ご理解の程お願い申し上げます。

脂肪腫の治療は、外科手術で行われます。手術では、脂肪腫を完全に切除することが目的です。
手術の方法や範囲は、脂肪腫の位置や大きさ、患者様の一般的な健康状態などによって異なります。
ハイドロダイセクション法、スクイーズ法などのテクニックを用いて、可能な限り小さな傷から摘出します。
筋肉や神経、血管に癒着していなければ、そのほとんどは局所麻酔で摘出可能です。
脂肪腫は、皮膚の奥に脂肪の塊ができる良性の病気です。脂肪腫は、痛みやかゆみなどの症状を伴うことはほとんどありませんが、見た目が気になる場合や邪魔になる場合には、手術で取り除くことができるので、お困りの際は専門医を受診すると良いでしょう。