花粉皮膚炎とは
花粉皮膚炎とは、花粉に対してアレルギーを有する人の皮膚に、花粉が付着することで起きます。
今や花粉症は国民病として知られています。
アレルギー性鼻炎や、アレルギー性結膜炎などの鼻や目の症状はよく知られていますが、皮膚にも炎症が起きることはまだあまり知られていないのでは無いでしょうか。
花粉皮膚炎の症状
外出時に露出する部位の皮膚に炎症が発生します。ほとんどの場合は、顔や首に赤みが出現し、かゆみを伴います。さらに掻くことで赤みとかゆみはより周囲へ広がっていきます。
症状の範囲は顔全体、首全体など広いことが多いです。
服で隠れる部分には症状が出ないことが多いことが特徴になります。
鼻炎や結膜炎などの症状がなくても、顔の赤み・かゆみなどの皮膚症状のみ出現することもあります。
一般的には花粉の飛散量と症状の辛さが比例します。
花粉皮膚炎の診断
季節性の症状なので、問診が重要になります。
疑われる場合は、アレルギー検査(血液検査)を行うこともあります。血液検査では、花粉に特異的なIgE抗体と呼ばれる数値の上昇を認めます。
問診、視診、血液検査などの結果を総合して診断を行います。
花粉皮膚炎の治療
多くの場合は、高ヒスタミン薬の内服で速やかに改善します。症状が強い場合はステロイドなどの抗炎症薬を使用することもあります。
皮膚のバリア機能を改善させるために、保湿を行うことも重要です。
ストレスが発症や症状悪化のきっかけになることもあるので、十分睡眠を取り、ストレスのない生活を心がけましょう。
花粉症のシーズンが終わった後でも赤みが残る場合などは、IPLなどの光治療で赤みを改善させることが可能です。
よくある質問(Q&A)
花粉による肌荒れに聞く市販薬(飲み薬・塗り薬)はありますか?
通常は抗ヒスタミン薬の内服の治療になります。市販薬でも同一成分のものがあるので効果があるといえます。
花粉皮膚炎とアトピー性皮膚炎の違いは何ですか?
アトピー性皮膚炎の人の30%程度が花粉により増悪すると言われています。
アレルギーの発症様式としては1型アレルギーとなるので、重複する疾患概念です。
アトピー性皮膚炎で花粉皮膚炎になる方もいますし、花粉皮膚炎があってもアトピー性皮膚炎がない方もいます。
花粉の時期にまぶた(目の周り)にできるぶつぶつは花粉皮膚炎ですか?
花粉皮膚炎は、首周り、目の周りなど皮膚が薄いところに出やすいです。
ぶつぶつとした赤い点状の皮疹として出ることも多いです。
目の周りにできるぶつぶつには、稗粒腫、脂腺増殖症、脂漏性角化症、疣贅など色々なものがあります。
それぞれ治療法が異なりますので、皮膚科医の診察が必要になります。
花粉皮膚炎におすすめの化粧水はありますか?
保湿成分が含まれていて、刺激が強くない物を使いましょう。
当院採用しているレカルカの化粧水ミストはEGFやNMFが含まれていて低刺激なのでおすすめです。
花粉皮膚炎は免疫療法(舌下免疫療法等)の治療で治すことはできますか?
シダキュア、シダトレンなどの舌下免疫療法では8割の人に症状改善効果がみられると言われています。
完治と行かないまでも、症状が改善する事が多いです。