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眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂とは?眼瞼下垂(がんけんかすい)は、上まぶたが十分に開かず、視界が狭くなる状態を指します。これにより、視界が遮られたり、額の筋肉を過度に使うことで肩こりや頭痛を引き起こすこともあります。
診断基準としては、黒目の中心から上まぶたまでの距離(MRD1)が3.5mm以下という国際的な基準がありますが、日本形成外科学会のガイドラインでは2mm以下が現実的とされています。また、挙筋機能(下方視から上方視までの上まぶたの動きの振幅)も診断に重要な指標です。

眼瞼下垂の分類

1. 先天性眼瞼下垂

生まれつきの原因によるものです。

単純先天性眼瞼下垂(最も多い)

挙筋機能が低下しており、前頭筋吊り上げ術が有効です。

瞼裂狭小症候群

まれな症例ですが、適切な診断と治療が必要です。

2. 後天性眼瞼下垂

後天的な要因で生じる眼瞼下垂です。

腱膜性眼瞼下垂(最も一般的)

加齢による変化やハードコンタクトレンズの長期使用による影響が原因。
→ 挙筋前転法が有効です。

神経障害による眼瞼下垂

  • 重症筋無力症(頻度は少ないが重要な疾患)
  • 動眼神経麻痺(脳梗塞や脳動脈瘤などが原因)

筋疾患による眼瞼下垂

  • ミトコンドリアミオパチー
  • 筋強直性ジストロフィー

3. 偽眼瞼下垂

まぶたそのものの機能低下ではなく、他の要因で下垂して見える状態です。

眼瞼皮膚弛緩症(まぶたのたるみ)(まぶたのたるみ)

→ 睫毛上皮膚切除や眉毛下皮膚切除が有効です。

眉毛下垂

眼瞼痙攣

眼球陥凹

小眼球症

眼瞼下垂の治療法

1. 挙筋前転法

上まぶたを切開して、眼瞼挙筋を修復し、まぶたを持ち上げる方法です。

  • 対象: 腱膜性眼瞼下垂や加齢による下垂など、多くの症例で適応されます。

2. 睫毛上皮膚切除

まぶたの上の余分な皮膚を切除する方法です。

  • 対象: 眼瞼皮膚弛緩性の下垂や、二重のラインを強調したい方におすすめです。

3. 眉毛下皮膚切除

眉毛の下の余分な皮膚を切除する方法で、自然な見た目の変化を希望される方に適しています。

  • 対象: 外側のまぶたのたるみが強い方に適応されます。

治療費用
(片側、健康保険適用時の3割負担)(片側、健康保険適用時の3割負担)

治療方法 料金(税込)
眼瞼挙筋前転法 21,600円
筋膜移植法

55,590円

その他の処置

18,210円

※両側を治療する場合、費用は倍になります。

手術の流れ

1初診・診断

診察により症状を確認し、治療法を決定します。手術日を決め術前検査を行います。

2手術当日

局所麻酔下で手術を行い、短時間で帰宅可能です。腫れを隠すため、サングラスの持参をおすすめします。

3術後のケア

抜糸は術後7日目。腫れや内出血は約2週間で落ち着き、仕上がりには3~6か月かかります。経過観察は通常1か月、3か月、6か月で行います。

手術のリスク

  • 腫れや内出血(術後1~2週間で改善)
  • 左右差(個々の回復具合により発生することがあります)
  • ドライアイや一時的な異物感
  • 傷跡
  • 再手術(過矯正)

症例

症例1 【75歳 男性】 
挙筋前転:術後3ヶ月

症例1 75歳 男性 挙筋前転 術後3ヶ月

症例2 【76歳 男性】 
挙筋前転:術後3ヶ月

症例2 76歳 男性 挙筋前転 術後3ヶ月

症例3 眼瞼下垂:術前・術後1ヶ月

症例3 眼瞼下垂 術前 術後1ヶ月

症例4 【74歳 女性】 
眉下切開:術後1ヶ月

症例4 74歳 女性 眉下切開 術後1か月

手術について

眼瞼下垂症は非常に高度な手術です。
以下の理由から、形成外科専門医が行うべき手術と考えます。

  • 無理の無いデザインを描けるか
  • 正確に0.1mm単位でメスで切れるか
  • まぶたの構造を理解した上で手術野の展開が出来るか
  • 症状に合わせた内部処理が出来るか
  • 術後の想定外の左右差などが出た場合に対処できるか

眼瞼下垂でよくある質問

まぶたが重い・下がる原因は何でしょうか?

「まぶたが重い」と感じる最も多い原因は、加齢に伴い筋肉が緩み、まぶたが下がる「加齢性眼瞼下垂(腱膜性眼瞼下垂)」です。
筋肉の緩みは皮膚のたるみと似ており、下着のゴム紐のように、時間が経つことで徐々に悪化していきます。

眼瞼下垂のセルフチェック方法はありますか?

セルフチェックの方法として2つ方法があります。

1つ目

  1. 鏡の前で両目を閉じます。
  2. リラックスした状態で目を開けます。
  3. 鏡に映る、自分の黒目の位置を確認します。まぶたが黒目の中心部分にかぶさっている場合、眼瞼下垂が疑われます。

2つ目

  1. 鏡の前で両目を閉じ、眉毛を指で押さえます。
  2. 眉毛を指で押さえたまま、目を開きます。
  3. ②の状態で問題なくまぶたを開くことができれば、眼瞼下垂の可能性は低いです。
    しかし、額に力が入ったり、まぶたが開きにくい場合は眼瞼下垂の可能性があります。

眼瞼下垂の治療(手術)は、何科に行けば良いでしょうか?

眼瞼下垂の治療は、眼科、形成外科、美容外科などで受けることがあります。
眼瞼下垂はまぶたの病気であり、まぶたの状態に応じて進行具合を見ながら治療を進める必要があります。
診療科を選ぶのではなく、眼瞼下垂の治療を専門とするクリニックを選ぶことで、より安心して治療を受けられます。
当院は皮膚科・美容皮膚科であり、経験豊富な形成外科専門医が在籍しておりますので、安心した治療(手術)をお受けいただけます。
お困りの際は、お気軽にご相談ください。

瞼が重い場合の治療は、保険適用になりますか?

保険が適用される条件は、「まぶたが開けにくく、日常生活に支障があること」や「まぶたが下がり、視野が狭くなっていること」です。
そのため、中等度・重度の眼瞼下垂は保険適用の対象となります。