白癬(水虫・爪水虫)とは
通常、足指の間に発生する皮膚の真菌感染症で、足に汗をかき、湿った環境で長時間働く人によく見られます。
白癬菌(はくせんきん)や酵母菌というカビの一種が足裏の皮膚に増殖して起こる感染症で、足ふきマットやスリッパの共有などで感染し、靴下や靴の中が湿度の高い状態になることで悪化します。
白癬(水虫・爪水虫)の症状
白癬の主な症状は、足の指の間の皮が剥けたり、足の裏がガサガサするのが特徴的です。
フケのような皮膚のかけらは、鱗屑(りんせつ)と呼ばれます。しばしば病変には発赤とかゆみがみられます。
足に生じる足白癬(水虫)が最も頻度が高いです。その中で、爪にできた爪白癬(爪水虫)は治療期間非常に長くかかる難治性の疾患になります。
体、手、顔面にも出来ることがあります。
症状や部位の違いによって、足白癬は「趾間型」、「小水疱型」、「角質増殖型」の3つのタイプに分けられます。
それぞれのタイプによって治療法が異なるため、専門医の診断と指導に従うことが重要です。
白癬(水虫・爪水虫)の診断
症状のある部分を一部切り取って、白癬菌の有無を顕微鏡で確認することで行われます。
また、顕微鏡での検査で診断がつかない人には真菌培養検査が行われることがあります。
爪白癬に対してはイムノクロマト法による迅速診断キットが発売されました。状況に応じて、こういった検査を使い分けます。
白癬(水虫・爪水虫)の治療方法
通常は抗真菌薬の塗り薬を用います。なかなか治らない場合や重症の場合には飲み薬を用いることもあります。
通常ステロイド外用薬は感染を増悪させることがあるため併用しませんが、潰瘍形成(かいようけいせい:じゅくじゅくした状態)している場合は、一度ステロイドで炎症を取り除いてから抗真菌薬へ切り替えることがあります。
治療は抗真菌薬の外用のほか、ときに内服が必要になることもあります。
再発がよくみられ、しばしば長期にわたる治療が必要になることがあります。足を乾燥した状態に保つ対策も有効です。
白癬の治療薬はドラッグストアでも購入可能ですが、白癬と診断される前に自己判断で市販薬を使用するのはお勧めできません。
適切な治療を受けるためにも、自己判断で薬を使用する前に医療機関に受診することが望ましいです。
抗真菌薬は「かぶれ」が生じる頻度が比較的高いため、医師の指示通りに外用を行い、かぶれた場合は直ちに使用を中止して再度受診するようにして下さい。
よくある質問(Q&A)
白癬は足以外にもできますか?どの部位に多いですか?
白癬は足以外にも発生することがあり、感染する場所によって頭部白癬(しらくも)、股部白癬(いんきんたむし)、体部白癬(たむし)などに分けられます。
白癬(水虫・爪水虫)は市販薬で治りますか?
市販薬も効果がある場合がありますが、症状が改善しない場合は医師の診断を受けることが望ましいです。
白癬(水虫・爪水虫)の皮は剥がした方がいいのでしょうか?
白癬の病変はなるべく触らないようにしましょう。傷になって二次感染を引き起こす事があります。また、手や、他の部位に白癬の病変が拡がる事があります。
白癬(水虫・爪水虫)がなかなか治らない場合はどうすればいいですか?
皮膚科に通院していない場合は、まず皮膚科医の診察を受けましょう。
外用で改善しない場合は、耐性を持っている可能性があるので外用薬を変更します。爪白癬の場合は内服薬でないと治癒しない事も多いです。
5本指ソックスで白癬(水虫・爪水虫)が治るというのは本当ですか?
蒸れを改善させるため、症状改善効果や再発予防効果はあると考えられますが、根治するほどの治療効果は得られないと考えられます。
水虫とたむしの違いは何ですか?また、シラクモとは何ですか?
水虫は足に出来る白癬、たむしは体に出来る白癬の俗称になります。
俗称なので、厳密な定義はあまり意味がないでしょう。体に出来る水虫という表現も誤りではないと思います。