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汗疱(異汗性湿疹)

汗疱(異汗性湿疹)とは

汗疱(異汗性湿疹)とは正式には再発性水疱型手湿疹と言います。
手のひらや足の裏などに小さな水ぶくれができる慢性の皮膚炎のことです。
水ぶくれはかゆみを伴い、かきむしると炎症を起こすこともあります。
水ぶくれは夏の初めに現れることが多く、数週間で自然に治ることもありますが、毎年季節の変わり目に繰り返されることもあります。小児から思春期の若い年代によく見られます。

汗疱の原因

汗疱の原因ははっきりとわかっていません。汗との関連性が指摘されていますが、水ぶくれと汗腺は通常繋がっていないという説と、繋がっているという説で専門家の間でも意見が割れています。
金属アレルギーやアトピー体質などの体質的なものや、ストレス、喫煙などが関連していると考えられています。

汗疱の症状

汗疱の症状は、手の指先や足の裏などに生じる小さな水泡です。時に水疱同士がくっつき、より大きくなることもあります。
水泡の周りは赤くなったり、白く濁ったりすることがあります。その後炎症の改善と共に、日焼け後の皮むけのように剥がれていくことが多いです。
刺激などが加わると湿疹のように赤くなり、かゆみや軽い痛みを感じることがあります。

汗疱の診断・検査方法

汗疱の診断では、特徴的な皮膚症状を観察したうえで、ほかの病気との鑑別や原因の特定のために必要に応じて検査が行われます。
たとえば、汗疱と臨床像が似ている白癬(水虫)との鑑別のために顕微鏡検査が行われることがあります。
具体的には皮膚を採取して、水虫の原因菌が存在しないかを顕微鏡で観察します。また金属アレルギーなどの可能性がある場合は、特定の動作での接触面(手の機能的ユニット)と一致するため、原因物質の特定が可能な事があります。
直接接触が原因ではないこともあり、不明な場合はパッチテストを行いアレルギー反応が起きるかどうかを確認する事もあります。

汗疱の治療方法

汗疱は、症状が軽い場合は自然治癒が期待できることもあります。ただし、炎症が生じた場合や水疱が大きい場合、かゆみの症状が強い場合などには薬物治療が検討されます。
炎症に対しては通常ステロイド外用薬を使用します。症状に合わせて、強いレベルを使ったり、密封閉鎖療法(ODT)、ステロイドテープ剤を使用します。
かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬を使用することがあります。
また汗疱によって皮膚が分厚くなった場合は、皮膚を柔らかくするために、サリチル酸ワセリンや、尿素含有軟膏を使用します。
日常生活では洗い物などの水仕事をする際にはゴム手袋を使用する、入浴や手洗いなどで皮膚が濡れた場合には必ず清潔なタオルなどで角質の水分を取り除き、よく乾燥させることなどが大切です。

参考文献

よくある質問(Q&A)

汗疱でやってはいけないことは何ですか?

水ぶくれを自分で潰したり、皮膚をかいたり、刺激したりすることです。
これらの行為は、炎症や感染のリスクを高めたり、症状を悪化させたりする可能性があります。
また、汗疱の原因となる汗をかきやすい環境や食べ物を避けることも大切です。

汗疱を針で潰してもいいのでしょうか?

汗疱を針で潰すことはおすすめできません。針で潰すと、水ぶくれの中の液体が周囲に広がり、炎症を拡大させることがあります。
また、針が不衛生だと感染の原因になることもあります。
皮膚科を受診して、医師に相談してください。

汗疱と白癬の違いは何ですか?

汗疱と白癬は、見た目が似ていることがありますが、全く別の病気です。
汗疱は、汗が皮膚の中に詰まって水ぶくれができる病気で、感染性はありません。
白癬は、真菌が皮膚に感染して起こる病気で、水虫や手白癬などの種類があります。
白癬は、ほかの人にうつる可能性があります。
汗疱と白癬の見分け方は、水ぶくれの形や大きさ、かゆみの程度、皮膚の色や状態などによって判断できますが、自己診断は難しいので、皮膚科で診てもらうことが必要です。

汗疱と手湿疹の違いは何ですか?

汗疱と手湿疹は、ともに手に水ぶくれができる病気ですが、原因や症状に違いがあります。
汗疱は、汗が皮膚の中に詰まることで水ぶくれができる病気で、季節や体質によって発症しやすくなります。
手湿疹は、手に刺激が加わることで水ぶくれができる病気で、洗剤や金属などのアレルゲンや、乾燥や摩擦などの物理的な要因によって発症しやすくなります。
汗疱と手湿疹の見分け方は、水ぶくれの場所や形、痛みやかゆみの有無、皮膚の赤みやひび割れなどによって判断できますが、自己診断は難しいので、皮膚科で診てもらうことが必要です。

汗疱は市販薬(オロナイン、フルコート、リンデロン、等)で治りますか?

軽度の汗疱であれば市販薬で治ることもありますが、必ずしも効果的とは限りません。
市販薬の中には、水ぶくれや皮膚の炎症を悪化させる成分が含まれているものもあります。
また、市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、症状が強い場合は、皮膚科で処方される薬が必要になることがあります。

汗疱とストレスは関係がありますか?

因果関係が立証された報告はありませんが、ストレスは、自律神経やホルモンのバランスを乱し、汗の分泌量や成分を変化させることがあります。
これによって、汗疱の原因となる汗の詰まりや炎症が起こりやすくなると考えられています。
また、ストレスは、免疫力を低下させ、皮膚のバリア機能を弱めることもあります。
これによって、汗疱の症状が悪化したり、感染したりするリスクが高まると考えられています。

汗疱はうつりますか?

汗疱は、感染性の病気ではありませんので、ほかの人にうつることはありません。