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白斑(尋常性白斑)

白斑(尋常性白斑)とは

白斑(尋常性白斑)とは白斑(尋常性白斑)は、皮膚の色素細胞が減少または消失し、皮膚の色が白くなる病気です。
全人口の0.5%から1%にみられ、奥菜恵さんや、故マイケルジャクソンさんがこの病気であった事を公表した芸能人もいます。
白斑は体のどこでも出ることがありますが、特に皮膚の摩擦が多い部位に多く見られます。

白斑の原因

尋常性白斑の原因は不明な部分が多いです。
研究の結果、遺伝、自己免疫異常、環境要因が組み合わさり生じる可能性があると考えられています。
遺伝的には、尋常性白斑の発症に関与する遺伝子や遺伝子変異がいくつか報告されていますが、単一の遺伝子では説明できないことが多く、多因子遺伝と考えられています。自己免疫異常とは、本来自分の体を守るはずの免疫システムが誤って自分の体の一部を攻撃することです。
尋常性白斑では、免疫システムが色素細胞を攻撃して破壊すると考えられています。
環境要因とは、日光、ストレス、外傷、感染症、化学物質などの外的な要因のことです。
これらの刺激が、免疫システムのバランスを崩したりすることで、尋常性白斑の発症や進行に影響すると考えられています。

白斑の診断・検査方法

尋常性白斑は症状を基に診断が進められます。尋常性白斑にはさまざまな似た病気があり、白斑が生まれつきのものかどうか、白斑の境界線がはっきりしているか、白斑が全身のどこに現れているか、白斑を生じさせる他の病気があるかなどをもとに診断が進められます。
また、尋常性白斑は自己免疫性甲状腺機能異常、膠原病、シェーグレン症候群、糖尿病、円形脱毛症、悪性貧血、アジソン病、重症筋無力症などの疾患の合併がみられることがあります。これらの合併症の有無を調べるために、血液検査などの検査が行われることもあります。

病型による分類

尋常性白斑は病型により、次の3つの型に分けられます。

  1. 非分節型(non-segmental vitiligo; NSV)
  2. 分節型(segmental vitiligo; SV)
  3. 未分類型(undetermined / unclassified vitiligo)

白斑の体表面積に応じた
分類

白斑の体表面積に応じて軽症から重症に分けられることがあります。

  • 軽症
    白斑が体表面積の10%未満である
  • 中等症
    白斑が体表面積の10%以上、30%未満である
  • 重症
    白斑が体表面積の30%以上である
    ただし、白斑が顔面に生じている場合など、白斑によってQOLが著しく損なわれている場合は、面積にかかわらず重症と診断されることもあります。

白斑の治療

尋常性白斑の治療には薬物療法、光線療法、植皮・外科手術、カモフラージュメイク療法などがあります。
どの治療を行うかは、発症からの年数、患者様の年齢、白斑の位置によって異なります。
また、合併症がある場合はそれぞれの専門医による合併症の治療が行われます。

薬物療法

ステロイド外用剤、活性型ビタミンD3外用薬、タクロリムス軟膏などの外用剤が主に用いられますが、後2剤は保険適用ではありません。
進行性の白斑には、プレドニゾロンなどの内服薬が用いられることもありますが、副作用に注意が必要です。
色素の回復を促したりする効果に関しては個人差があります。

光線療法

紫外線を白斑に照射することで、色素細胞の増殖や移動を促し、色素の回復を目指す治療法です。
光線療法には、ナローバンドUVB(NB-UVB)やエキシマレーザーなどの種類があります。
当院で採用しているエキシマレーザーは正常部位を避けて照射可能で、効果も他の光線療法に比べ良いとの報告もありますが、広範囲の照射は困難なため、照射範囲は外来で相談の上で決めています。

植皮・外科手術

色素のある皮膚を白斑に移植することで、色素の回復を目指す治療法です。植皮・外科手術には、ミニパンチグラフト法、サクションブリスターグラフト法、培養メラノサイト移植法などの種類があります。植皮・外科手術は手術が本当に効果があるかどうかは、術前の診断が非常に重要になります。
当院の形成外科専門医はミニパンチ、サクションブリスターグラフトの経験もあるため、連携の下、日帰り手術に対応しています。

カモフラージュメイク療法

白斑を特殊な化粧品で隠すことで、見た目の改善を目指す治療法です。
カモフラージュメイク療法は、色素の回復を促す効果はありませんが、患者様の心理的な負担を軽減する効果があります。

よくある質問(Q&A)

白斑(尋常性白斑)は自然に治ることはありますか?顔にできた場合は治りやすいですか?

白斑(尋常性白斑)は、皮膚の色素細胞が減少または消失することで、皮膚の色が白く抜けてしまう病気です。
自然に治ることはほとんどありませんが、治療によって色素が回復する可能性はあります。顔にできた場合は、他の部位よりも治りやすいと言われていますが、個人差があります。

白斑(尋常性白斑)は化粧品で治ることはありますか?

白斑(尋常性白斑)は化粧品で治ることはありません。
化粧品は白斑の原因ではなく、白斑のカモフラージュに使われることがあります。

白斑(尋常性白斑)を放っておくとどうなりますか?

白斑(尋常性白斑)を放っておくと、白斑は拡大し、全身に広がる可能性があります。
また、白斑はメラニン色素がなくなるため、紫外線に対する防御力が低下し、日焼けや皮膚がんのリスクが高まります。

白斑(尋常性白斑)に効く食べ物はありますか?

白斑(尋常性白斑)に効く食べ物は、科学的に証明されているものはありません。

白斑(尋常性白斑)とハタケ(白色粃糠疹)の見分け方はありますか?

白斑(尋常性白斑)とハタケ(白色粃糠疹)は、ともに皮膚の色が白くなる病気ですが、見分け方はあります。
白斑は、皮膚の色素細胞が減少または消失することで、皮膚の色が完全に白く抜けてしまう病気です。
ハタケは、皮膚の角質層が過剰に増殖することで、皮膚の色が白くなる子どもに多い病気です。
尋常性白斑の方がやや境界明瞭で、ハタケは表面がカサカサとした質感なので見分ける事が出来ます。

白斑(尋常性白斑)は難病指定されていますか?

白斑(尋常性白斑)は、厚生労働省が定める難病の一つに指定されています。